Kana Miyaura Kana Miyaura

感受性映画評論:Stranger Than Paradise (1984)Director: Jim Jarmusch

風の音を編集していない。

1984年。
電子レンジで温めるだけの、手軽な食べ物を食べるシーン。
ショートフィルムのような断片を、静かに綴った長編映画。
けれど、写真のような要素がとても多い。

モノクロでもざらついている。
モノクロなのに、トーンカラーが曖昧。
無音で観ても面白い。

主人公の男性のファッション。
今、街を歩く男性の中にも、そのスタイルをまとう人がいる。

ファッション。
日常。
モノクロ。
いきなり場面が切れる。

そして、
シーンごとにタイトルが現れ、
淡々と物語がはじまっていく。

それは、どこにでもある日常の世界。
けれど、モノクロ。

照明はあるのか?
光が足りないから、フィルムにノイズが走るのか?
けれどそれすら、世界観の一部になっている。

深夜のサイエンス・ピクチャー・ショーの場面。
本当に深夜なのか。
影が濃い。

そして朝になると、
太陽光で部屋がやわらかく明るくなる。

たったひとつのワンルーム。
けれどそこに、ドラマは生まれていた。
すべてを、見ることはできない。
それでも、
そこには 確かに生きていた時間 がある。

※ 無音で観ることをおすすめします。

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